このガイドのゴール
このガイドでは、AITuberKitを使って「LLMと会話できるアバターがブラウザで動く」状態を30分で作ることを目指します。配信プラットフォームへの接続やキャラ設定の作り込みは、まず動く状態を確認してからの次のステップです。
AITuberKitはVRM・Live2D・MotionPNGTuber、複数のLLM、複数のTTSに対応した総合ツールキットで、個人開発者が最初に全体像を掴むのに向いています。
事前に用意するもの
以下の3つだけ揃っていれば始められます。すべて無料枠で試せるものです。
- Node.js(v24系推奨)と npm(v11系推奨)— 公式サイトからインストーラをダウンロードして入れるだけです
- LLMのAPIキー — OpenAI、Google AI Studio、Anthropicなど好みのものを1つ。Google AI Studioなら無料枠があります
- テキストエディタ — VS Codeなど、.envファイルを編集できるものなら何でも構いません
ステップ1:クローンと起動(5分)
ターミナルを開いて以下のコマンドを順に実行します。
git clone https://github.com/tegnike/aituber-kit.git → cd aituber-kit → npm install → cp .env.example .env → npm run dev
npm installが完了したらnpm run devでローカルサーバーが立ち上がります。ブラウザで http://localhost:3000 を開けば初期画面が表示されます。Dockerを使いたい場合は cp .env.example .env → docker compose up -d でも同じ結果になります。
ステップ2:LLM接続(5分)
.envファイルをテキストエディタで開き、使いたいLLMのAPIキーを設定します。
たとえばOpenAIならOPENAI_API_KEYの行にキーを書くだけです。Google AI StudioやAnthropicを使う場合も、対応する環境変数にキーを入れれば切り替わります。
設定したらnpm run devを再起動して、ブラウザの設定画面から使用するAIサービスを選択します。テキスト入力欄に何か打ってみて、キャラクターが返事をすれば接続成功です。
ステップ3:音声合成を有効にする(10分)
AITuberKitは複数の音声合成サービスに対応しています。最短で試すなら、以下の選択肢があります。
ブラウザ内蔵のWeb Speech APIを使えば追加設定なしで音声が出ます。品質を求めるならVOICEVOX(ローカル無料)やAivisSpeechをインストールしてAPIサーバーを起動し、設定画面から接続先を指定します。
まずはWeb Speech APIで動作確認してから、好みの音声に切り替えるのがおすすめです。
ステップ4:アバターを設定する(10分)
AITuberKitはVRM、Live2D、MotionPNGTuberの3形式に対応しています。初期状態でもデフォルトのアバターが表示されますが、自分のキャラクターに差し替えることができます。
VRMモデルはVRoid Studio(無料)で作成できます。作ったモデルを.vrm形式でエクスポートし、AITuberKitの設定画面からアップロードするだけです。
Live2Dモデルを持っている場合は設定で切り替えられます。手軽に始めるなら、まずはデフォルトアバターのまま進めて、キャラクターの見た目は後から作り込む方が効率的です。
ここまでで動くもの
ここまでの手順で、ブラウザ上に表示されたアバターに対してテキストで話しかけると、LLMが生成した返答を音声付きで喋ってくれる状態になっています。これがAITuberの最小構成です。
次のステップとして、YouTube Liveのコメント取得機能を有効にすれば配信中のコメントに自動で応答するAITuberとして動作します。キャラクターの口調や性格はシステムプロンプトで調整できます。
次にやること
30分で最小構成が動いたら、以下のような拡張を検討してみてください。段階的に進めることで、自分だけのAITuberを作り上げていけます。
- キャラ設定の作り込み — システムプロンプトで口調・性格・設定を詳しく書く
- YouTube Live連携 — 配信コメントを自動取得してリアルタイムに返答する
- 音声品質の向上 — Style-Bert-VITS2やAivisSpeechで自然な音声に切り替える
- 配信画面の演出 — OBSと組み合わせてレイアウトや背景を整える
- 会話履歴や記憶 — 長期記憶の仕組みを入れて、視聴者との継続的な関係を作る
うまくいかないときは
よくあるトラブルと対処法をまとめます。
- npm installでエラーが出る → Node.jsのバージョンを確認してください。v24系が推奨です
- LLMが応答しない → .envのAPIキーが正しく設定されているか、サービス側のクレジット残高があるか確認してください
- 音声が出ない → ブラウザの音声自動再生がブロックされている場合があります。画面をクリックしてから試してみてください
- アバターが表示されない → ブラウザのWebGLが有効になっているか確認してください
